その他の野菜料理とサラダ

 ドイツ人は野菜をかなり食べる。肉や魚料理の付け合わせとしてはもちろん、ジャガイモと同様に野菜を中心とした料理も非常に多く、例えばライプツィヒ風ごった和え(Leipziger Allerlei)は、新鮮な人参、ジャガイモ、アスパラガス、セロリ、茸、グリンピースなどを別々に塩茹でして細かく切り、小麦粉少々と生クリームを加えたバターソースで和えたものである。付け合わせとしても使われるが、輪切りにしたゆで卵をのせ、白ワインとともに簡単な料理として食べることも多い。

 ケーキ(Kuchen)という名がついているが、ほとんどピザに近いタマネギケーキ(Zwiebelkuchen)はタマネギの特産地である西南地方の料理で、お茶やパーティー、あるいは夕食にも出される。縁の浅いケーキ型に甘くないクッキー生地を敷き(縁取りもする)、その上に根気よく炒めたみじん切りのタマネギとベーコンをのせ、表面に卵の白身とサワークリームを薄く塗って焼く。土地の赤ワインがよく合う。

 夥しい種類のきのこもドイツ料理の重要な脇役で、店や市場で買うことが多いが、家族で野山に茸狩りに行くこともドイツ人の楽しみの一つである。毒か否かは薬局で教えてくれる。野生の茸はオムレツにしただけでも美味しく、秋にはどこのレストランでも出されるものにマッシュルーム入りオムレツ(Omelett mit Champignon)がある。

 しかし、ドイツ料理の華は野菜の王様と称されるアスパラガス(Spargel)である。5月から6月半ばが旬で、これを食べずには初夏を迎えられないとさえ言われている。特にハイデルベルクのすぐ西にあるシュヴェッツィンゲンや、ボーデン湖畔のテットナング産のアスパラガスは他の追随を許さない。日本では缶詰で売られている白いアスパラガスで、土をかぶせて緑化しないようにしたもの。スープに入れたり、付け合わせにすることもあるが、何と言っても茹でたてにベシャメルソースをかけて食べるのが最高である。