VARIOUS EDITIONS

様々な編集盤

最初は「赤盤」「青盤」だった。 大好きなビートルズの曲が、オリジナル発表の時期に関係なく聴ける便利なベスト・アルバム。
そのうち、いつの間にか色々な編集盤がレコード・ラックに増えていった。
ハードなロックン・ロールだけが続けて聴けるもの。
美しいバラードをゆっくり楽しめるもの。
ヒット曲を続けて聴くと同時に、彼らの成長の跡をたどっていけるもの・・・。
今日はそんな様々な編集盤をご紹介してみたい。
※レコード(CD)ナンバーはすべて店主所蔵のもの

BEATLES' GREATEST
Odeon EAS-81056

もともとは'65年にイギリスで編集され、ドイツ、オランダ等ヨーロッパ各国で発売された初期傑作集。
英国オリジナル・シングル8曲("Please Please Me"から"Ticket To Ride"まで)と1枚目から4枚目までの英国オリジナル・アルバム収録曲された人気曲で構成されている。
編集盤としてはまあ無難な、というかイージーなひと品だが、"All My Loving"はハイハットのイントロつきヴァージョン。
A COLLECTION OF BEATLES OLDIES

レビュー U.K. part2(1966-1967)参照
THE BEATLES 1962-1966
Apple EAS-77003-4

通称「赤盤」
ジョージ・ハリスンが選曲を担当したビートルズのベスト盤。
デビューから'66年までのヒット・シングルを中心に、シングル以外の有名曲を数曲加えた前期ビートルズの決定版。
微妙なテイク違いを多数収録しており、従来慣れ親しんだ曲をまとめて聴けるほかに、コレクターにとってはちょっとしたヴァージョン違いを探す楽しみもある。
THE BEATLES 1967-1970
Apple EAS-77005-6

通称「青盤」
ジョージ・ハリスンが選曲を担当したビートルズのベスト盤。
'67年から解散までのヒット・シングル、有名曲を収録した後期ビートルズの決定版。
自ら選曲にあたったジョージの自己主張がかなり盛り込まれたのか、ジョージ作、ヴォーカルの曲が4曲("While My Guitar Gently Weeps", "Old Blown Shoe", "Here Comes The Sun", "Something")収録されている。
このアルバムも微妙なテイク違いを多数収録しており、現在でも人気。
RARITIES
Odeon EAS-63010

「珍品集」というタイトルが示すとおり、英国オリジナル・シングルのB面曲、オリジナル・アルバム未収録曲で構成されたレア・トラックス集。
フランク・チャックスフィールド・オーケストラの「ひき潮」を思わせる"Across The Univers"は、本来'68年の第1弾シングルとして予定されていながら発表されず、その年のチャリティ・アルバムに収録されていたテイク。
その他、"Long Tall Sally""I'm Down""She's A Woman"といった、初期〜中期のステージで演奏された人気曲がまとめて聴けるのがうれしい。
RARITIES(U.S.)
Odeon EAS-81325

レビュー U.S. EDITIONS 参照
THE BEATLES BEAT
Odeon EAS-81057

'64年にドイツで編集された初期傑作集。
中古レコード市場では、ドイツ・オリジナル盤、東芝の国内盤ともかなりな人気を呼んでいる1枚。
ジャケットは、いかにもドイツ・テイスト溢れる色使い、デザインでこれだけでもコレクションに加えたくなる。
英国オリジナル・シングル3枚目〜6枚目、および英国オリジナル・アルバム"WITH THE BEATLES"からカヴァー曲を中心に選曲した前12曲入り。
THE BEATLES IN ITALY
Odeon EAS-81525

'65年にイタリアで編集された初期傑作集。
当時はアメリカ、日本のみならず、各国が競ってこのような編集盤を発売しており、日本ではこれら各国の編集盤もレコード・カタログにどんどん載り、いながらにして世界の編集盤を手にできる恵まれた環境にあった。
英国シングルA面曲4曲、シングルB面曲4曲、EP収録曲その他4曲の全12曲。
裏ジャケットは有名な「シャンペン・カヴァー」
ROCK 'N' ROLL MUSIC
EAS-77009-10

1976年発表。
日米共同編集による2枚組編集盤。
数あるビートルズのレパートリーの中からロックン・ロール・ナンバーだけを選りすぐってまとめた、まさにビートルズ・サウンドのエッセンス集。
中期以降のビートルズは、純然たるロックン・ロールとは少しずつ離れて行ったが、"Back In The U.S.S.R""Revolution""Get Back"は成熟した彼らならではのオリジナリティ溢れる新時代のロック・ナンバーだったのだ。
RIAA認定ゴールド・ディスク獲得。
LOVE SONGS
EAS-50007-8

1977年発表。
日米共同編集による2枚組編集盤。
数あるビートルズのレパートリーの中からラヴ・ソングだけを選りすぐってまとめた、もうひとつのビートルズ。
内容もさることながら、革張りのアルバムのようなジャケットが美しい。
RIAA認定ゴールド・ディスク獲得。
Ballads-20 Original Tracks
Odeon EAS-91006

1980年に発表されたビートルズのバラード傑作集。
LOVE SONGSもそうだが、優しい曲ばかり集めて聴いても本来のビートルズの姿は見えてこない。
でも、寂しさに身が包まれてしまった時、心痛んだ時にはこんなアルバムを聴いてみるのもいいかも知れない。
ジョン・パトリック・バーンの絵によるカヴァー・アートはビートルズの4人が少年、あるいは森の妖精のように描かれていて心和む。
REEL MUSIC
EAS-81480

ビートルズ映画(劇場映画4作、テレビ映画1作)の使用曲だけを集めたアルバム。
同時にこのアルバムの収録曲をメドレーでつなげたシングルも発売された。
各時代のビートルズのメンバーたちが劇場に入って行く様子はとても楽しそうだ。
THE BEATLES 20 GREATEST HITS
EAS-91047

シングル・ヒットを中心に20曲を厳選して1枚に収めたベスト盤。
"Yesterday""The Long And Winding Road"のみ英国オリジナル・シングルではない曲。
アルバム1枚分という制約もあって"Hey Jude"は残念ながらショート・エディット・ヴァージョン。
現在では「音源」としての価値はそう高くないが、中古の出回り数もあまり多くなく「音盤」としては貴重。
PAST MASTERS Vol. 1
CDP 7 90043 2

1988年、ビートルズのアルバムが公式にCD化された際に、オリジナル・アルバムと併せて発売された。
シングルA、B面曲、EP盤収録曲でオリジナル・アルバムに収録されていなかった曲で構成されている。
Vol.1はデビューから'65年までの発表曲が対象で、本作収録時にあらたにリアル・ステレオ化された"This Boy""Long Tall Sally""I Call Your Name""She'a Woman""Yes It Is""I'm Down"を収録。
PAST MASTERS Vol. 2
CDP 7 90044 2

Vol.2は'66年から解散までが対象。
本作収録時にあらたにリアル・ステレオ化された"The Inner Light"を収録。
"You Know My Name"のみモノラル収録。
YELLOW SUBMARINE SONGTRACK
5214811 U.K.

1999発表作品。
'68年に公開された映画"YELLOW SUBMARINE"の全ての収録曲を、ピーター・コビンが大胆にリミックスし、'69年のオリジナル"YELLOW SUBMARINE"発表から実に30年ぶりに登場した「完全版"YELLOW SUBMARINE"」
"All You Need Is Love"はこのアルバムで史上初の完全ステレオ・ヴァージョンがお目見え。
その美しさには言葉が見つからない。
THE BEATLES 1
529326-7 U.K.

ビートルズ・ミレニアム・プロジェクトの成果として2000年に発表されたベスト・ヒット集。
英米いずれかのヒット・チャートでNo.1を獲得した曲を集めた、というふれこみだったにもかかわらず、'63年にイギリス・メロディ・メーカー誌で2週にわたって1位になっているはずの"Please Please Me"が収録漏れしていることに多くのファンが「?」となった。
このアルバムのプロモーションは実に大々的なもので、ソフトとして発売はされなかったものの、秀逸なプロモーション・ビデオ(The Beatles Review "VIDEO" の項参照)、数々のマーチャンダイズを駆使しての一大イベントとなった。
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